先日、JINSで眼鏡を作ってきました。メガネを買うにあたって、JINS、Zoff、OWNDAYSのどこで買うか、私なりのおすすめを紹介します。
レンズは薄ければ薄いほどにじみが出やしなどのデメリットがあるので、適切な薄さのレンズを選ぶ必要があります。また、目が小さくならないようにするためには、レンズよりもフレーム選びが重要です。レンズやフレームを選ぶポイントも紹介します。
ちなみに、私はコンタクト度数-5.00で強度近視の一歩手前の視力です。いろいろ比較して、最終的にJINSで眼鏡を購入しました。
JINS、Zoff、OWNDAYSの特徴と違いは?
格安メガネ御三家といえばJINS(ジンズ)、Zoff(ゾフ)、OWNDAYS(オンデーズ)です。3社とも品質の高いサービスを提供しています。フレームは基本的に同じような商品展開で、価格は5,000円~15,000円くらいです。JINSとOWNDAYは標準レンズに薄型非球面レンズを採用しており、追加料金はかかりません。Zoffの標準レンズは球面レンズで、薄型非球面レンズにするには追加料金が発生します。
JINS | Zoff | OWNDAYS | |
---|---|---|---|
フレーム | 新商品やコラボ多い | 少しだけおしゃれかも | ブランドメガネあり |
フレームの価格 | 5,000円~15,000円 | 5,000円~15,000円 | 5,000円~15,000円 |
標準レンズ | 薄型非球面レンズ | 球面レンズ | 薄型非球面レンズ |
薄型レンズの価格 | 0円 | 5,500円~15,000円 | 0円 |
フレームの品質と商品展開は同レベル
フレームの品質は3社とも大きく変わりません。JINSは業界をリードするような新商品やコラボ商品をよく投入しています。Zoffは他2社と比べておしゃれなフレームが多い印象ですが、ここは好みの問題でしょう。OWNDAYSはサウナ専用メガネを販売したり、自社オリジナルだけではなくいわゆるブランドメガネを取り扱っていたりと独自路線で先行する2社を追いかけています。
フレームの価格帯は同レベル
フレームの価格帯は3社とも同じです。5,000円~15,000円くらいが主力商品です。シンプルなものなら5,000円~10,000円。ちょっとおしゃれなものだと10,000円~15,000円と考えておけばいいでしょう。20,000円くらいの商品もあります。
OWNDAYSはJINSやZoffのように自社ブランドのフレームだけではなく、他社ブランドのいわゆるブランドメガネも取り扱っています。ただ、取り扱っている価格帯は同じなので、商品展開に大きな違いがあるわけではありません。結局は好みのフレームが見つかるかどうか次第です。
レンズの品質は同レベル
レンズの品質は3社とも同じです。3社とも国内有名レンズメーカーのレンズを使用しているので、同じ種類のレンズならば基本的に差はないと考えていいでしょう。高品質なレンズなので格安メガネでもまったく問題ありません。
ただし、Zoffには「両面非球面レンズ」というJINSやOWNDAYSにはないワンランク上のレンズがあります。詳しくは後述します。
違いは標準レンズの種類と薄型レンズの価格
大きく異なるのが標準レンズの種類と薄型レンズの価格です。JINSとOWNDAYSはほとんど一緒ですが、Zoffだけが2社と大きく異なります。
まず、JINSとOWNDAYSは標準レンズに薄型非球面レンズを採用しています。追加料金はかかりません。
一方、Zoffは標準レンズに一般的な球面レンズを採用しています。薄型非球面レンズは有料オプション(+5,500円~15,000円)になります。
JINSの薄型レンズは屈折率を1.60、1.67、1.70、1.74の4段階から選択できます。屈折率が大きいほど、レンズは薄くなります。
OWNDAYSの屈折率は1.60、1.67、1.74の3種類です。1.70はありません。
Zoffの球面レンズの屈折率は1.55の1種類、薄型レンズの屈折率は1.60、1.67、1.76の3種類です。最も薄いレンズは1.76で、JINSとOWNDAYSの1.74よりも薄いレンズが用意されています。1.60は+5,500円、1.67は+7,700円、1.76は+13,200円の有料オプションになります。
さらに、Zoffの屈折率1.76にはより高性能な両面非球面レンズが用意されています。一般的に「薄型非球面レンズ」として販売されているレンズの多くはレンズの外側のみが非球面になっている「外面非球面レンズ」です。Zoffは屈折率1.76に「外面非球面レンズ」の他に、両面が非球面になっている「両面非球面レンズ」を用意しています。両面非球面レンズの価格は+15,000円です。
薄型レンズで価格を抑えたいならJINSかOWNDAYSがおすすめ
中程度近視~強度近視の方で、眼鏡の価格を抑えつつ、薄型レンズにしたい場合は、JINSかOWNDAYSがおすすめです。
JINSとOWNDAYSは標準レンズに薄型非球面レンズを採用しているので、追加料金無しで薄型レンズを購入できます。
Zoffは標準レンズに一般的な球面レンズを採用しているので、薄型非球面レンズにするには追加料金(+5,500円~+15,000円)が発生します。
価格は気にならないという方はZoffでも問題ありませんが、価格を抑えたいという方はJINSかOWNDAYSで眼鏡を購入するといいでしょう。
フレームの商品展開は若干違いがありますが、3社とも5,000円~15,000円の価格帯で、似たようなデザインの眼鏡を展開しています。いくつか店舗を覗いてみて、好みのデザインを選ぶといいでしょう。
より高性能な薄型レンズならZoffがおすすめ
JINSやOwndaysの薄型レンズは「外面非球面レンズ」という種類のレンズです。これは、レンズの外側が非球面になっているものです。
より高性能なレンズとして「両面非球面レンズ」というレンズがあります。これは、レンズの両面が非球面になっているものです。
Zoffは格安メガネチェーンで唯一、両面非球面レンズを取り扱っています。両面非球面レンズの価格は15,000円です。フレームと合わせると20,000円~30,000円くらいになります。Zoffで取り扱いがある屈折率は1.76の一種類だけです。
レンズは度数が強くなるとレンズの中心点から外れた外側が歪んで見えるという欠点があります。非球面レンズはこの欠点を抑え、歪みを少なくしたレンズです。片側だけ非球面になっている外面非球面レンズよりも、両面とも非球面になっている両面非球面レンズの方が広い範囲で歪みがない見え方を実現できます。
さらに高性能なレンズなら街のメガネ屋さんへ
個人的には、両面非球面レンズを検討するなら、街の眼鏡屋さんがおすすめです。フレームやレンズの知識が豊富で、視力チェックや眼鏡の調整もかなり細かくやってくれるお店が多いです。もちろんお店によって技量に差はあるので、何件か覗いて相談してみて、「ここならお任せできる!」というお店を見つけたら、そこで眼鏡を作ってみましょう。
最近では、個人個人に合わせたオーダーメイドのレンズを取り扱っているお店も増えています。ただし、こちらはレンズ価格が50,000円~100,000円くらいします。その分、見え心地が全く違うようです。
いずれにしても、高性能なレンズを検討する場合は、まずは街の眼鏡屋さんを何件か覗いて、相談してみることをおすすめします。
度数が強くないなら好きなフレームで選べばOK
普段、裸眼でも過ごせる程度の弱い度数ならば、薄型の非球面レンズにこだわる必要はありません。近視が強くないならJINS、OWNDAYS、Zoffどこでも、純粋に好きなフレームで選べばOKです。
レンズを選ぶポイント
それではメガネレンズを選ぶ際のポイントを見ていきましょう。
中程度近視~強度近視なら薄型非球面レンズは必須
球面レンズと非球面レンズでは見え方に違いがあります。球面レンズは度数が強くなるとレンズの端に行くほど歪みが大きくなります。一方、非球面レンズは球面レンズに比べて歪みが出にくい設計になっています。
中程度近視~強度近視の方は、球面レンズだと歪みが大きく、見にくい眼鏡になってしまいます。中程度近視~強度近視の方にとって薄型非球面レンズは必須です。
軽度近視ならば歪みがほとんど出ないので球面レンズでも問題ありません。現在は非球面レンズが主流ですが、普段、裸眼でも過ごせるくらいの弱い度数ならば、球面レンズの方が自然な見え方になるとも言われています。
屈折率が大きいほどレンズは薄くなる
屈折率が大きいほどレンズは薄くなります。また、同じ屈折率なら球面レンズよりも非球面レンズの方が薄くなります。
レンズの厚さと屈折率の関係は次のようになります。
屈折率 | レンズの厚さ 度数:S-3.00 | レンズの厚さ 度数:S-6.00 | レンズの厚さ 度数:S-9.00 |
---|---|---|---|
1.50球面 | 3.8mm | 5.8mm | – |
1.60非球面 | 2.7mm | 4.2mm | 6.0mm |
1.67非球面 | 2.5mm | 3.9mm | 5.4mm |
1.70非球面 | 2.3mm | 3.6mm | 5.1mm |
1.74非球面 | 2.3mm | 3.6mm | 4.9mm |
出典:https://www.rakuten.ne.jp/gold/eye-berry/image/info/info_2.html
度数が強ういほうがレンズは厚くなります。先頭の「S」は眼鏡の度数を表しています。ちなみに、コンタクトの度数は先頭に「D」がつきます。一般的に眼鏡はコンタクトの度数よりも少し度が強くなります。ただし、0.25程度の差なので、コンタクトをお持ちの方は、とりあえずはコンタクトの度数を参考にしてください。
度数の弱いS-3.00では屈折率1.60と屈折率1.74の差はわずか0.4mmです。度数が弱い場合は、屈折率を大きくしてもレンズを薄くする効果はほとんどありません。
度数:S-6.00でも、屈折率1.67と屈折率1.74の差はわずか0.3mmです。これくらいの差ならば、見た目の厚みにほとんど影響がないので、わざわざ屈折率の高い1.74を選ぶ必要はほとんどありません。屈折率1.67程度で十分です。
Zoffは最も薄い屈折率1.76のレンズがありますが、よほど度数が強くない限りは、JINSやOWNDAYSの屈折率1.74とほとんど厚みに差は生じません。
レンズは薄くなるほどにじみがでやすくなる欠点がある
レンズは屈折率が大きくなるとにじみが出やすいという欠点があります。物の輪郭がにじんで見えてしまい、鮮明に見えにず、目が疲れやすくなります。特に、夜などににじみが出ることが多いようです。
レンズの性能としては屈折率が小さい方がよくなります。
度数によっては、一定以上に屈折率を大きくしてもレンズの薄さはあまり変わりません。必要以上に屈折率を大きくしてまでレンズを薄くする必要はありません。
JINSならレンズの薄さは店員さんにお任せするのがベスト
JINSでは、店舗に度数とレンズ幅に合わせた屈折率とレンズの厚さの対応表が置いてあります。そこには最適なレンズの屈折率と厚さが示されていて、店員さんはそれを見ながら、度数とメガネフレームに合わせた最適な屈折率のレンズを提案してくれます。基本的には店員さんが提示してくれた屈折率のレンズを選べばOKです。
レンズを薄くしようと必要以上に屈折率を大きくするとにじみが出やすくなるなどのデメリットがあります。また、度数が弱い場合は一定以上に屈折率を上げてもレンズはほとんど薄くなりません。よほどこだわりがある場合以外は、店員さんが提示してくれる屈折率のレンズを選ぶのがベストです。
ちにみに私は、度数が-5.50~-5.25、レンズ幅が49.1mmでレンズの屈折率は1.67を購入しました。
ブルーライトカットは基本的に不要
ブルーライトカットレンズは基本的に不要です。
ブルーライトは睡眠に影響を与えると言われていますので、夜遅くまで仕事でPCを見たり、寝る前にスマホを見るなどしてなかなか寝付けないという方は検討する価値があると思います。
ただし、最近のスマホには夜間に画面を暗くしてブルーライトをカットする「夜間モード」などの機能が搭載されています。パソコンでも夜間に画面を暗くしてブルーライトをカットできる「f.lux」などのフリーソフトがあります。
スマホやPCではまずはこれらの機能やフリーソフトを利用してブルーライトをカットするのがおすすめです。
また、眼精疲労の軽減や眼球への障害を予防するなどの効果があるとしてブルーライトカットレンズが紹介されることがありますが、これらの効果は科学的に証明されていません。
さらに、小児では日中に十分な太陽光を浴びない場合、近視が進むリスクが高まるという報告もあります。日本眼科学会は「小児にブルーライトカット眼鏡の装用を推奨する根拠はなく、むしろブルーライトカット眼鏡装用は発育に悪影響を与えかねません。」という意見書を出しています。特に小児のブルーライトカットメガネについては慎重な判断が求められます。
ブルーライトカットレンズの価格
JINS | Zoff | OWNDAYS | |
---|---|---|---|
価格 | 5,500円 | 0円 | 3,500円 |
カット率 (EN基準) | 25%CUT 40%CUT 60%CUT | 非公開 | 29%CUT |
カット率 (旧BS基準) | 42%CUT 50%CUT 62%CUT | 33%CUT 50%CUT | 38%CUT |
屈折率 | 非球面1.60 非球面1.67 | 球面1.55 非球面1.60 非球面1.67 非球面1.76 | 非球面1.60 非球面1.67 非球面1.74 |
JINS、Owndaysのブルーライトカットレンズは有料です。JINSは5,500円、OWNDAYSは3,500円です。Zoffのブルーライトカットレンズは無料です。
ブルーライトのカット率が最も高いのはJINSの60%CUT(EN基準)です。JINSは屈折率1.67までしかブルーライトカットに対応していません。度数が強くて超薄型の非球面レンズにしたい場合はZoff(屈折率1.76)かOWNDAYS(屈折率1.74)を選ぶことになります。
EN基準とBS基準は、EN基準が新しい基準、BS基準が古い基準です。EN基準の方が、カット率が小さくなります。ZoffはBS基準しか公表していません。
強度近視でも目が小さくならないフレームの選び方
眼鏡の度数が強いと、屈折の関係で目が小さく見えてしまいます。レンズを薄くすることで多少は目を大きく見せることができますが、あまり大きな効果はありません。実は、レンズにこだわるよりも、フレームにこだわる方が目を大きく見せることができるのです。
メガネ屋さんもフレーム選びの重要性を強調しています。
特に、メガネを試着するときはレンズが入っていないので、目が小さく見えることはありません。実際にレンズを入れてみてから、「あれ?思ったのと違うな…」と感じることもしばしば。
後悔しないためにも目が小さくならないフレーム選びを意識することが大切です。強度近視でも目が小さくならないフレームを選ぶポイントは次の3つです。
- レンズの横幅が小さいフレームを選ぶ
- 目の位置がレンズの中心にくるフレームを選ぶ
- 色が濃いフレームを選ぶ
レンズの横幅が小さいフレームを選ぶ
眼鏡のレンズは中心が一番薄くて、外側に行けば行くほど厚みが増す設計になっています。そこで、レンズの横幅が小さいフレームを選ぶと、外側の厚みのある部分を削って中心に近い薄い部分だけを使うことができるので、レンズの厚みをかなり抑えることができます。
眼鏡にはいろいろな形があります。眼鏡のフレームごとにレンズをはめ込む枠の大きさは異なります。そこで、眼鏡のフレームに応じてレンズの外側の余分な部分を削って、レンズをフレームの大きさを合わせているのです。
レンズの横幅は見た目で小さいものを選んでもいいですし、メガネフレームのテンプル(つる)の裏に書いてある数字から読み取ることもできます。
メガネフレームのテンプル(つる)の裏には上の写真のような数字が書いてあります。この数字はメガネのサイズを表しています。単位はミリメートルです。それぞれの数字が表す部位は下の写真のようになります。
レンズの横幅は、先頭の数字が表しています。上の写真だとレンズの横幅は「①の50ミリメートル」、つまり5cmになります。
この数字が小さい眼鏡を選ぶことで、レンズの横幅が小さくなります。レンズの横幅が小さくなれば、レンズの外側の厚い部分を削って使えるので、強度近視でもレンズが厚いなという印象を軽減することができます。
スクエアタイプよりも丸メガネタイプの方が横幅が小さいものが多いので、強度近視の方は、まずは丸メガネタイプを検討してみるのがおすすめです。
一般的に市販されているメガネでは、レンズの横幅は50ミリメートル以下をひとつの目安として選ぶといいでしょう。
目の位置がレンズの中心にくるフレームを選ぶ
2つ目のポイントは、目の位置がレンズの中心にくるフレームを選ぶことです。
メガネのレンズをフレームの大きさに合わせて削るとき、レンズの中心と目の中心の位置が合うようにしてけずります。そのため、目の位置がレンズ枠の内側や外側に寄っていると、その分、反対側のレンズが厚くなります。
例えば、目がレンズの内側によっている場合、レンズの中心と目の中心の位置を合わせてレンズを削るため、レンズの中心から外側までの距離が長くなります。その分、外側に行けば行くほどレンズが厚くなってしまうのです。
目の位置がレンズの中心にくるフレームを選ぶには、実際に試着してみるのが一番です。完璧に真ん中を目指すのは難しいですが、できるだけ真ん中から外れないフレームを選ぶことで、レンズの厚みを抑えることができます。
色の濃いフレームを選ぶ
3つ目のポイントは、色の濃いフレームを選ぶことです。
これは枠で囲まれたものの方が大きく見える「デルブーフ錯視」と呼ばれる効果です。シンプルで細いフレームよりも、色が濃くてインパクトのあるフレームで囲まている方が目は大きく見えます。
眼力が印象的なタレントの宮川大輔さん。宮川大輔さんのトレードマークと言えば、極太の黒縁メガネです。よく見てみると、宮川大輔さんのもともとの目はそれほど大きくはありません。ですが、極太の黒縁メガネをかけることによって、錯視で目が大きく見え、眼力のあるインパクトのあるお顔という印象になります。
あそこまで極太のメガネは少し極端ですが、目を大きく見せたい方は、色が濃くて太めのフレームを選ぶと効果的です。
眼科で眼鏡処方箋をもらおう
最後に、眼鏡を作るとき、視力測定は眼科で行いましょう。眼科で「眼鏡処方箋をお願いします」と言うと、眼鏡作成のための視力測定をして、度数など眼鏡を作るのに必要な情報が書かれた処方箋を出してくれます。この処方箋を持ってメガネ屋さんに行くと、処方箋の情報を元に眼鏡を作成してくれます。
眼鏡処方箋の価格は健康保険が適用されます。3割負担で1,610円くらいです。メガネ屋さんなら無料で検査をしてもらえるのに、わざわざ眼科に行く必要はないように思えるかもしれませんが、実は眼科での検査には大きなメリットがあります。
眼科で眼鏡処方箋をもらうメリットは大きく2つです。
国家資格保有者による正確な視力測定
1つ目のメリットは正確な視力測定を受けられることです。眼科での視力測定は「視能訓練士」という国家資格を持ったプロの医療技術者が行います。視能訓練士の資格は専門学校などで3年以上学んだ後に、国家試験を突破した人だけが得ることができます。
一方、格安メガネショップでは、一定の訓練を受けているとは言え、アルバイトや経験の浅い社員が対応することも珍しくありません。眼鏡は長時間かけるものです。少し度数がずれるだけで、そのときは違和感がなくても、長時間かけたときに、見にくい、疲れやすいなどの症状に繋がることがあります。
特に、強度近視や乱視のある方は、眼鏡の使用目的も考慮したかなり繊細な度数調整が必要になります。できるだけ、プロの視能訓練士に見てもらうようにしましょう。
眼科医の診察で目の病気をチェック
2つ目のメリットは、眼科医の診察を受けられるということです。眼鏡処方箋のための検査には、視力検査の他に眼科医による診察が含まれています。特殊な顕微鏡のような装置で目の状態をチェックしてくれます。
実は、目の病気は自覚のないまま進行するものが多くあります。代表的なものでは緑内障です。緑内障は目の神経に障害が起きて、少しずつ見える範囲が狭くなる病気です。日本の失明原因1位となっている病気です。
緑内障は加齢とともに発病しやすく、40歳以上で20人に1人、60歳以上では10人に1人が治療を受けています。失明率自体は低く、早期に発見して適切に治療を受ければ、生涯視野と視力を保てる病気です。
ただし、進行がゆっくりで、初期の段階では自覚症状がないため、早期発見のためには定期的に眼科を受診する必要があります。早い人では、30代で発病することも珍しくありません。特に、強度近視の方は発病しやすいので注意が必要です。遺伝との関連性はまだはっきりしていませんが、両親や祖父母に緑内障の方がいるのなら注意したほうがいいでしょう。
私も、眼科医の診察を受けた際に、目の状態から緑内障に注意したほうがいいと指摘されました。今すぐは必要ないけれども、30代後半くらいになったら、一度、精密検査を受けた方がいいでしょうと言われています。
他にも目には自覚症状の少ない病気が多くあるので、定期的に眼科を受診しておくことをおすすめします。若いうちは、1年に1度くらいで十分だと思いますので、眼鏡処方箋を出してもらう際に、一緒に目の状態もチェックしてもらいましょう。
街の眼鏡屋さんには眼科以上に細かく視力チェックを行ってくれて、技術と経験が豊富な店員さんも多いので、信頼できる眼鏡屋さんがあるならば、眼科では視力検査は受けずに検診だけ受けて、眼鏡を作るための視力検査は街の眼鏡屋さんで受けるのもいいでしょう。