阿部紘久さんの『シンプルに書く!』を読みました。
タイトルの通り、シンプルで、伝わる文章の書き方を学べます。
例文が豊富に掲載されていて、どこをどう直したらいいのか、実践的なテクニックが紹介されています。
日本語は述語で意味が確定しますが、述語が登場するのは文章の一番最後です。
たとえば「彼は車を運転して、1人で仕事場に出かけた」という文を見てみましょう。
述語は最後の「出かけた」です。それ以前の言葉はすべて「出かけた」にかかっています。
「彼は(出かけた)」
「車を運転して(出かけた)」
「1人で(出かけた)」
「仕事場に(出かけた)」
述語の「出かけた」が登場するまで文章の意味は確定しません。読み手はすべての言葉を覚えておいて、最後の「出かけた」を読んでようやく書き手がこの文章で言いたかったことを理解することができます。
また、日本語は語順が自由です。思いつくままに「1人で車を運転して、仕事場に彼は出かけた」と書くこともできます。
この例文は短いので問題ありませんが、文章が長くなると大変です。
たとえば、次の文章を読んでみてください。
「彼は今朝、子供のころから夢を見ていてようやく手に入れることができた真っ赤なスポーツタイプの高級車を自ら運転して、たった1人で去年から働き始めたとなり町にある仕事場に出かけた。」
いかがでしょうか?一文にたくさんの内容が詰め込まれていて、かなり分かりにくい文章です。そもそも「たった1人で働き始めた」のか「たった1人で出かけた」のか、複数の意味に取れてしまいます。
この文章は次のように3つの文に分けるとすっきりします。
「彼は車を運転して、1人で仕事場に出かけた。彼の車は、子供のころから夢を見ていてようやく手に入れることができた、真っ赤なスポーツタイプの高級車だ。仕事場はとなり町にあり、彼がそこで働き始めたのは去年からだ。」
「彼」「車」「仕事場」と3つの話に分けて、それぞれを一文にまとめることで、スッキリと分かりやすくなります。
日本語の文章は短く、シンプルに書かないと、読み手に余計な負担を強いたり、意味を誤解させるような文章になってしまいます。
日本語の文章を書くときは「シンプルに、短く、分かりやすく」を心がけることが大切です。
本書の構成は次のようになっています。
- 文を分ければシンプルになる
- 言葉を削るとより多く伝わる
- 無用な飾りは取り去る
- 的確に書く
- 分かりやすく書く
- 長文をシンプルに構成する
- 共感が得られるように書く
- 視覚的な効果を考える
レポートから報告書まで、文章を書くすべての学生や社会人におすすめの一冊です。